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 商談 執筆:具志 颯太

商談のヒアリングがうまくいかない原因と、本音を引き出す質問の組み立て方

「ヒアリングで何を聞けばいいか分からない」「質問しても浅い答えしか返ってこない」。商談のヒアリングに悩む営業担当者は少なくありません。この記事では、ヒアリングがうまくいかない原因と、相手の本音を引き出す質問の組み立て方を解説します。

ヒアリングの目的は「提案の材料集め」

ヒアリングは、相手と仲良くなるための雑談でも、チェックリストを埋める作業でもありません。目的は、相手に合った提案をするための材料を集めることです。

この目的を意識していないと、聞いた内容が提案に活かされず、「結局どの会社にも同じ説明をしている」と思われてしまいます。逆に、ヒアリングで聞いた言葉を使って提案すると、相手は「ちゃんと話を聞いてくれた」と感じ、提案を前向きに受け止めてくれます。

ヒアリングがうまくいかない3つの原因

1. いきなり課題を聞いている

「何かお困りごとはありますか?」と聞かれて、すぐに本音を話せる人は多くありません。課題を聞く前に、相手が答えやすい事実の質問から入る必要があります。

2. 質問が一問一答で終わっている

用意した質問を順番に聞いていくだけだと、表面的な答えしか集まりません。大切なのは、相手の答えに対して「それはなぜですか」「具体的にはどんな場面ですか」と掘り下げることです。

3. 自分が話しすぎている

相手の答えに対して、すぐに「それなら当社のサービスが…」と説明を始めてしまうパターンです。ヒアリングの段階では、営業が話す時間は全体の3割程度に抑えるくらいがちょうどいいと考えてください。

質問は「現状→理想→ギャップ→背景」の順に

ヒアリングの質問は、次の4段階で組み立てると自然に深まっていきます。

  1. 現状:今どうしているか(事実)
  2. 理想:本当はどうなっていたいか
  3. ギャップ:理想と現状の差は何か、なぜ埋まっていないのか
  4. 背景:それが解決しないと、誰が・どう困るのか

例:営業研修を検討している企業へのヒアリング

現状:「今、新人の方の育成はどのように進めていますか?」

理想:「理想としては、入社から何ヶ月くらいで独り立ちしてほしいとお考えですか?」

ギャップ:「今はそこまでに、どのくらいかかっている印象ですか?何が一番時間がかかっていますか?」

背景:「立ち上がりが遅れると、チーム全体ではどんな影響が出ていますか?」

この順番で聞くと、相手は自分の言葉で課題を整理していくことになります。営業が「御社の課題はこれですね」と指摘するよりも、ずっと納得感のある形で課題が共有されます。

答えを深める3つの切り返し

相手の答えを深めるときは、次の3つの切り返しを使い分けます。

  • 具体化:「たとえば、最近どんなことがありましたか?」
  • 理由:「そう感じるのは、どういうところからですか?」
  • 影響:「それが続くと、どんなことが起きそうですか?」

同じ切り返しを続けると尋問のようになってしまうので、相手の答えを一度受け止めてから使うのがコツです。「なるほど、そうなんですね」と一言挟むだけで、相手は話しやすくなります。

見落としがちな「決め方」のヒアリング

課題を深く聞けても、商談が進まないことがあります。その多くは、誰が、いつまでに、どうやって決めるのかを聞けていないことが原因です。

  • 導入を最終的に判断されるのはどなたですか?
  • いつ頃までに方向性を決めたいとお考えですか?
  • 他にも比較されているサービスはありますか?

これらは聞きにくいと感じるかもしれませんが、ヒアリングの最後に「今後の進め方を考えるために」と前置きすれば、自然に聞けます。

ヒアリング内容は相手の言葉のまま残す

ヒアリングのメモは、自分の言葉に要約せず、できるだけ相手の言葉のまま残しておきましょう。提案のときに「先日、〇〇とおっしゃっていましたが」と相手の言葉を使うと、提案の説得力が大きく変わります。

まとめ

ヒアリングは、提案の材料を集めるための時間です。答えやすい現状の質問から入り、理想、ギャップ、背景の順に深め、最後に決め方を確認する。この流れを型として持っておくだけで、商談の質は大きく変わります。

グロウベースの営業研修では、ヒアリングの型づくりとロールプレイを中心に、商談の進め方を実践的に身につけていただけます。

具

具志 颯太株式会社グロウベース 代表取締役

株式会社グロウベース 代表取締役。大阪大学で電子情報工学を学んだのち、NTTデータで新規事業開発のコンサルティングに従事。独立後は、教育・AI・飲食など複数の事業の立ち上げと、営業組織づくりに携わる。

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